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薄いブログ〜20代大家の賃貸日記や、週末の朝活など〜

20代ど素人が始めた賃貸経営の話や、週末に運営している朝活の話など〜

就活相談に乗って思ったこと:最悪の状況を想像してほしい

最近の就活生には、ときどき仏が混じっているように思います。

 

「人を支えるのが好きなので、介護業界に興味があります」

「人の人生が変わる瞬間を支援したいので、人材紹介に興味があります」

「もっと活き活きと働く人を増やしたいので、人材育成に興味があります」

 

 

おまえら仏かよ!

と思います。

 

僕なんて

「はやく出世したいから幹部候補プログラムのある会社しか受けない」

とか、そんな邪念100%のケダモノでした。

 

 

でも、そんな仏たちに

「なんで人を支えたいの?」とふかぼっていくと

 

大抵の方が

 

「笑顔を見たいから」

「ありがとう、と言われたいから」

 

など、自分が感謝される状況を想像していることが気になりました。

 

ピュアな若人にこんなことを伝えるのは心苦しいのですが

 

「良いことをしても感謝されないのが社会人」

 

ということをお話したいと思います。

 

 

「良いことをしたら報われる」とは限らない

基本的に社会人は、一方的に感謝されることはありません。

一方的に感謝されるのは、利害関係がシンプルな場合だけです。

 

<いつものアンパンマン>

バイキンマンは悪いやつ。

アンパンマンがバイキンマンをぶっ飛ばした。

だからアンパンマンありがとう。

 

そんなシンプルな状況、社会にはございません。

 

<社会人のアンパンマン>

小さい頃からバイキンとして周囲に蔑まれ、

バイキンだから仕事にも就けず、

病気の親を養うため、己を殺しながら

心のどこかでは「アンパンマン、俺を止めてくれ」と祈りながらも

それを悟られることでアンパンマンに心労をかけまいと思うが故

明るく「ばいばいきーん」と叫びながら悪事を働いているのかもしれません。

 

そんなバイキンマンをぶっ飛ばすことを、心の底から喜んでよいのでしょうか。

バイキンマンを生み出した社会や仕組みこそ、

我々は見つめ直す必要があるのではないでしょうか。

 

 

という具合に、社会人は、とことん複雑です。

 

例えば、伸び悩む組織を改革するため営業部隊を縮小することを決断する。

当然、解雇される側からは恨まれるでしょう。

残った社員も「なぜ上の失敗を下が支えなければいけないんだ」と不満を募らせ、

「本当にやるんですか?私は知りませんよ?」と部下からは見放される。

 

しかも、自分が正しい保証はない。

「自分の決断は正しかったのだろうか・・・」

そんな状況で一歩を踏み出す恐怖に耐えて 

「組織のために」「相手のために」下した決断が、

必ずその相手に歓迎されるとは限りません。

 

 

 

先の人材育成を例に取ると、

研修を通じて社員の生産性を上げたい!と自分が考えていても

受講者は「かったりぃ・・・」と、ぐでたまのようなモチベーションで

この時間は1秒1分すべて無駄だ、と思われている環境で働くこともあります。

 

IT企画であれば

自分の仕事が「満足度が92%から95%にあがりました」と

全ての仕事が数字にしか反映されないこともあります。

 

 

仕事に感謝を求めるのは

自分のモチベーションの源泉を相手に委ねることと同義で、非常に危険です。

複雑な仕事ほど、直接的な感謝が与えられることはないし

感謝が与えられなかった瞬間、心が折れてしまいます。

 

「自分が尽くした相手に感謝されなくてもいい」

と思えるほど、その領域が好きか?と問いかけてみてください。

 

「いや、それは無理だな」と思うのであれば、

その「好き」はどのみち弱いので、

あまり仕事選びにおいて、重視しすぎない方がよいかもしれません。

  

最悪の状況を想像してほしい

「人が変わる瞬間を見たいから人材業界」

 

よく就活中の方に言われる志望動機です。

 

でも、彼らが想像しているのは

「20代前半で伸び悩む若手の天職を見出し、人生を変えた」

といった、光の中の光だけです。

 

残念ながら、そんな素晴らしい事例ばかりではありません。

以下、僕が業界勉強の一環で読んだ本に出てきた事例です:

 

 

 

 

毎月、達成できそうにもないノルマを課され

朝の9時から終電まで、休みなく働かされる毎日。

 

「おい◯◯、4ヶ月連続で未達だったら、わかってんだろうな」

徹夜明け早々、出社してきた上司に威圧される。

先月は飲み会の席で、後輩の前で散々に罵倒された。

 

いざ転職希望者との面談に足を運ぶと

「俺を転職させるのがお前の仕事だろう。ちゃんとやれよ!」

と、日中から仕事をサボってパチンコに耽る中年男性になじられる。

相手に責があろうと、トラブルになれば自分の減点につながる。

その場は平謝りで、やり過ごす。

 

次の転職者は20代前半の女性。

「もっと専門性を高めたい」と意欲を示す彼女。

自分が担当する企業は2社。

 

・社員を尊重し、しっかりと育成する社風のA社。

 成功報酬は100万円。

 

・若手を食いつぶすことで有名なブラック企業のB社。

 成功報酬は300万円。

 

今月も業績が未達だと、上司に何をされるかわからない。

いつまでも後輩にバカにされたくない。

断腸の思いでB社を推薦し、彼女はそこに内定した。

 

300万円の高単価決定で、自分は入社して初めて業績を達成した。

上司からは手のひらを返したように祝福され、

後輩からも「300万円の決定!すごいですね!」と賞賛され、

少しこそばゆい感覚に浸った。

 

その後、彼女がどうなったかは知らない。

 

 

 

 

 

上記に挙げたのは、あくまで書籍に出てきたケースです。

想像上の出来事かもしれません。多少の誇張はあるかもしれません。

 

でも、それを想像したうえで志望して欲しいんです。

少なくともその業界のルポ、現場の方の記録を10冊は読んで、

決して華やかではない、表舞台では見えないケースを追体験してから

腹をくくって、判断して欲しいんです。

 

その業界に身をおいて初めて想定外の苦難に直面したら

心が耐えきれないかもしれない。

誤った道を選んでしまうかもしれない。

僕はそれが心配です。

 

どんな業界にも光と闇があります。

光の中の光だけをイメージして進路を決めるのではなく、

対極、つまり闇の中の闇も想像すべきです。

 

想像するのが難しければ、本の力を借りましょう。

しっかり想像して、考えて、煩悶して、

納得したうえで仕事を選んでほしい。

 

「あらゆることを想定したうえで下した決断だから」と

今後の社会人生活を後悔せず進み続けられるよう準備をするのが「就活」です。

微力ながら、その手伝いになれば幸いです。